本記事では、プレイ時間1,2時間程度の2作品のノベルゲームを制作してリリースした私が、ノベルゲームを制作する前に行った準備を紹介いたします。
実際に作成した資料や表もご紹介いたしますので、これからノベルゲーム制作、その他ジャンルのゲームを制作する方々の役に立てると幸いです。
リリースした作品
まず最新で制作して公開した作品はこちらです。
使用ツール:ティラノスクリプト
自分で言うのもなんですが、無料ゲームにも関わらず、イラストもきれいで、ボイスもあり、OP/ED等の映像もあります。
当然シナリオにもこだわっており、軸となっている心理学要素についても、日常生活で実践的に使える心理学の知識を取り入れており、かなり質が高いと自負しております。
プレイした方々にはコメントで高い評価をいただいており、ファンアートもいただきました。
心理学に興味がある方も、そうでない方にもおすすめできる作品であり、なおかつ無料で遊べるので、ぜひプレイしていただけると嬉しいです。
制作前の準備の流れ
まず個人で行ったゲーム制作の事前準備は以下です。
ゲームの内容や作りこみ度合いによって省ける工程もあります。
次項からそれぞれの工程について、実際に作成した資料を見せながら説明していきます。
シナリオの全体像を決める
最初にやることは、ノベルゲームのメイン部分であるシナリオの全体像を考えることです。
簡単に言うと、どんなストーリーにしようかを決めることです。
この段階では、大まかなもので全然大丈夫です。
プラスして、どの程度の長さの作品にするか、世界観まで決めれるとベストだと思います。
この工程はノベルゲームの制作をしようと思った段階で、形にしたい物語の概要は決まっている方が大半だと思います。
とりあえずノベルゲーム制作をやってみたいけど、どんなストーリーにするか決めていない方は、まずシナリオの概要から考えましょう。
シナリオ内の分岐を決める
次にシナリオの大きな部分での分岐を考えます。
参考として私がゲーム制作時に作成したシナリオ分岐図は以下です。(ネタバレ部分等は一部黒塗りにしています。)
「いきなりシナリオ内の分岐を決めるの?」と思われるかもしれませんが、基本的にノベルゲームにおいて、『分岐が増える=シナリオ量が1.4〜1.8倍増える』と私は考えているので、大きな部分での分岐は先に決めた方が良いです。
もちろん、共通ルートにすぐに戻る程度の小さな分岐は後付けでも問題ないですし、短編であればさほど気にすることはないです。
キャラの設定を考える
次にキャラの設定を考えます。
参考として私がゲーム制作時に作成したキャラ設定書は以下です。(ネタバレ部分は一部黒塗りにしています。)
キャラの名前・年齢・体型等の外見的特徴・性格などを決めます。
名前はシナリオに深く関連させる作品でなければ、後で決めるのも良いと思います。
(私も一部キャラ名はシナリオ完成後に決めました。)
キャラゲーと呼ばれるキャラの魅力を前面に推す作品でなくても、キャラの設定はシナリオと同じくらい非常に大切です。
主人公のキャラ設定について、平凡にしてプレイする人の感情移入を誘うのか、天才キャラやモテモテキャラにして全てを超越した気持ちよさを感じさせるのか、特定の悩みを抱えさせることで同じ悩みを持つプレイヤーをターゲットにしたニッチなものにするのか、というように様々あります。
どうやって考えれば良いかわからない人向けに、私がゲーム制作時に参考にしていた本を以下に紹介します。
シナリオとタイトルにありますが、キャラ設定のことも記載されていて参考になりました。
キャラの相関図を作る
次にキャラの相関図を作ります。
これはあってもなくても良いと思います。
ただし、キャラ数が多くなりキャラ同士の関係性が複雑になる場合は、作成しておく方が良いと思います。
私の今回の作品ではキャラ数が大して多くなかったため、作る必要はなかったのですが、形から入るタイプなため、以下のようなものを作成しました。
キャラ名の横にいる小さいキャラは制作前のイメージです。
イメージはおそらく以下のようなサイトで作ったものだと思います。
(いつも適当に探すのであまり覚えてません。)
CHARAT(キャラアート)
この中の「CHAEAT GENESIS」だと思います。
きゃらふと
これは過去作のキャライメージ制作時に使っていたと思います。(うろ覚え)
キャラデザインの話は、以下記事に詳細を記載します。
スケジュールを計画する
事前準備の最後として、スケジュールの計画をします。
あまり周りの人で細かくスケジュールを立てている人を聞きませんが、個人的にすごく大切な工程だと思っています。
ゲーム制作は短編であっても、最初の1作品の制作をやり切れる人は少なく、挫折する人が多いと思っています。
最初は制作意欲があっても、面倒になってやめる人、出来ない理由付けをしてやめてしまう人が大半です。
その対策として、最初にスケジュールを決めることにより、締切効果(パーキンソンの法則)を利用して心理的に作業を強制することが効果的です。
参考として私がゲーム制作時に作成したスケジュールは以下です。
(サイズの関係で一部行を非表示、プライバシー保護のため日付も一部加工しております。)
背景が水色の部分が予定で、濃い青色の部分が実績です。
ここまで細かくする必要はないかもしれませんが、タスクを詳細化した方が1つ1つ作業が終わっていることに達成感を覚えてモチベーションが保ちやすく、心理的にも作業を進めやすくなります。
私はGoogleSpreadSheetで自作しましたが、面倒な方は以下のようなサービスを使うと簡単に作成することが出来ます。
自作するのもそこまで難しくないため、自作するのもありだと思います。
Google等の有名企業でも使われているらしく、機能的に申し分ないと思います。
私が自作したテンプレートがほしいという要望が多ければ、ファイルの公開も検討します。
まとめ
今回はノベルゲームを個人制作する際の事前準備について記載しましたが、いかがだったでしょうか?
ノベルゲーム制作の全体をまとめた記事やシナリオライティングについては、以下記事をご覧ください。
記事に対する感想や記事のリクエストについては、お問い合わせからいただけると幸いです。