本記事では、プレイ時間1,2時間程度の２作品のノベルゲームを制作してリリースした私が、ノベルゲーム制作での一枚絵・背景・ロゴデザイン（イラストが描けない人向け）について紹介します。
本記事はイラストが描けない方向けとなっております。
一枚絵のイメージを作る際も絵を描くセンスは一切不要です。
イラストが描ける方もゲーム制作でのイラスト制作の流れを知ることができるため、有益になればと考えております。
本工程の前にキャラデザインを済ませておくことをおすすめします。
キャラデザインについては、以下記事で紹介しておりますので、興味のある方はご覧ください。
キャラデザインについても、当然絵を描く技術は不要とした流れを紹介しております。
実際に作成した資料もご紹介いたしますので、これからノベルゲーム制作、その他ジャンルのゲームを制作する方々の役に立てると幸いです。
本記事だけでもデザインについてはある程度まとめていますが、より詳細に知りたい方は以下の私が出版した本をご参考ください。
Kindle Unlimitedに加入している方は追加料金なしで読めます。
リリースした作品
まず最新で制作して公開した作品はこちらです。
使用ツール：ティラノスクリプト
自分で言うのもなんですが、無料ゲームにも関わらず、イラストもきれいで、ボイスもあり、OP/ED等の映像もあります。
当然シナリオにもこだわっており、軸となっている心理学要素についても、日常生活で実践的に使える心理学の知識を取り入れており、かなり質が高いと自負しております。
プレイした方々にはコメントで高い評価をいただいており、ファンアートもいただきました。
心理学に興味がある方も、そうでない方にもおすすめできる作品であり、なおかつ無料で遊べるので、ぜひプレイしていただけると嬉しいです。
イラスト制作の流れ
まず個人で行ったゲーム制作のイラスト制作の流れは以下です。
ここでのイラストは、背景や一枚絵(スチル、CG)、ロゴデザインを指しています。
自分でイラストを描けないことを前提としていますので、全ての工程でイラストを描くスキルは完全に不要です。
- イラストの必要な枚数とサイズを決める
- イラストのイメージを作る
- 背景素材を探す
- 見積もりと制作の依頼をする
- ラフと完成品の確認をする
- （必要に応じて）ロゴの入れ込み、画像加工
上記は制作を依頼する場合の流れです。
既存の素材を利用する場合や自分で描く場合は、見積もりからの工程は不要です。
次項からそれぞれの工程について、実際に作成した資料を見せながら説明していきます。
イラストの必要枚数とサイズを決める
イラストの必要枚数
まずイラストの枚数を決めます。
背景の数、背景の差分（昼と夜など）、イベントCGの枚数等で、それぞれ何枚のイラストが必要かを考えます。
イラストの枚数は、どのタイミングで決めるかによって見積もりの正確さは変わります。
私のようにシナリオが完成してからだと枚数のずれは基本ありませんが、シナリオと並行しての制作依頼の場合は後に追加が必要になることが多いです。
当然ですが、イラスト制作を依頼する場合は、自分で制作するより急な枚数追加がしづらいです。
とはいえ枚数の追加について、イラスト製作者様は快く受けてくれる方が多いです。
ただし、制作を依頼してから完成するまではそれなりに時間がかかるため、スケジュール通りの制作を考えるなら、後からの追加は極力避けた方が良いです。
もしくは、追加を見越した余裕を持ったスケジュールを立てることをおすすめします。
イラストのサイズ等の情報
次にイラストのサイズやその他情報について決めていきます。
イラストサイズは、拡大より縮小する方が画質が粗くならないため、基本的には大きめで制作依頼しておく方が良いです。
イラストの縦横比もある程度合わせておく方が良いですが、キャラの服装の幅や体型の違いがあるため、大きくずれていなければ良いと思います。
その他情報としては、ファイル拡張子（png、jpg等）等を決めます。
これはゲーム開発ツールによって異なるので、ツールに合わせて決めてください。
背景と一枚絵のイメージを作る
次に制作を依頼する時のために背景と一枚絵の簡単なイメージを作ります。
参考として、私が実際に作成してイラスト制作依頼時に提示したイメージは以下です。
一枚絵のイメージは主要な部分しか作成しておらず、ある程度おまかせで制作依頼をしました。
詳細にイメージが固まっている場合は、もう少し細かく記載したほうが良いです。
上記はGoogleスライドで作成しております。
このようにイラストの全体像を簡単に書いて、イメージに近い画像とキャラやキャラの表情等の画像を準備しておきます。
キャラデザインは事前に制作しておくことをおすすめします。
キャラデザインの制作については、以下記事にまとめております。
背景素材を探す
次に背景素材を探します。
背景素材は、汎用的に使用できるものは無料で提供されていることが多く、クオリティが高いものも多くあります。
私がノベルゲーム制作時に使用したり、参考にしたものを以下に紹介します。
特に私が気に入ったのは、有料サイトのDLsiteのリンク先の素材です。
無料サイト
有料サイト
見積もりと制作の依頼をする
次にいよいよイラスト制作を依頼します。
twitterやpixiv、ココナラ等、色々とありますが、今回は私が利用したココナラを例に簡単に紹介します。
私の制作したゲームの一枚絵やロゴデザインはココナラで制作依頼させていただいたものが多いので、同じようなタッチのイラストがほしい方は、以下のゲームページのクレジットを確認して相談してみてください。
依頼する方を決める
まずは検索等で依頼する方を決めます。
各サービスのページにイラスト例があると思うので、絵のタッチが自分のイメージに近いかどうかを確認すると良いです。
あとは初めて依頼する方が見落としがちな確認ポイントとしては、ラフ数や修正回数、修正に追加料金がかかるかどうかです。
基本的には、ラフ提示から1、2回の修正は無料の方が多いですが、料金を安くする代わりに修正は別料金といった方もいらっしゃるので、サービスページや見積もり時に確認しておくと良いです。
またおすすめとして、依頼する方は可能な限り１人に絞った方が良いと思います。
キャラごとに絵のタッチが異なると、作品内の統一感がなくなって良くないと個人的には思いました。（私は１作品目で実感しました。）
テイストを変えたシーンがある等で使い分けたりする場合は、依頼する方は分けても問題ないです。
見積もり相談・制作依頼
次に見積もり相談や制作の依頼をします。
伝えることは基本的にそれぞれのサービスページに記載されていますが、プラスとしてここまでで準備したイメージの資料や画像を添付すると、自分のイメージとのずれが発生しにくくて良いです。
イラスト追加が出そうな時は、見積もりのタイミングで事前に相談しておくと良いと思います。
ラフと完成品の確認をする
最後に制作依頼したイラストのラフや完成品のチェックをします。
出てきたラフにコメントがある場合は、修正のお願いをする必要があります。
この際も出来るだけ細かく、可能であればイメージ画像を付けて伝えると良いです。
ラフの提示・修正が終われば、完成品の納品がありますので、ファイル形式や透過の有無、サイズ等の最終確認をして完了です。
（参考）ロゴの入れ込み、画像加工
参考として、ロゴのタイトルイラストへの入れ込みについて紹介します。
基本的には、ロゴ制作とゲームのタイトルイラストである一枚絵の制作を別の方にお願いすることがほとんどだと思います。
ロゴ完成後にタイトルイラストの制作依頼をする場合は、ロゴをイラストに入れてもらうこともお願いできますが、スケジュールがギリギリになると並行して依頼することもあります。
その場合は、自分でタイトルイラストにロゴを入れ込むような画像加工が必要になります。
画像加工と聞くと難しく聞こえますが、ロゴを入れるだけであればすごく簡単です。
私もゲーム制作をするまで画像加工をほとんどしたことがありませんでしたが、以下の無料のツールで簡単に加工することができました。
本記事のサムネイル画像の作成もこの「firealpaca」を使用しております。
デザイナーを目指す方や今後画像加工を職にしていきたい方は、以下の超有名な本格的なツールもあります。
Photoshop 画像編集ソフト
Illustrator グラフィックデザインソフト
まとめ
- イラストの必要な枚数とサイズを決める
- イラストのイメージを作る
- 背景素材を探す
- 見積もりと制作の依頼をする
- ラフと完成品の確認をする
- （必要に応じて）ロゴの入れ込み、画像加工
今回はノベルゲームを個人制作した際の一枚絵や背景、ロゴデザインについて記載しましたが、いかがだったでしょうか？
ノベルゲーム制作の全体をまとめた記事やキャラデザインについては、以下記事をご覧ください。
記事に対する感想や記事のリクエストについては、お問い合わせからいただけると幸いです。
